November 09, 2006

「骨格性上顎前突の diphasic 治療」


矯正歯科 : 鎌倉 dentfaco 山本歯科・矯正の Blog
カマクラデントフェイシャルオ−ソピディクス山本歯科・矯正
院長 : 矯正歯科医 : 山本一宏の ブログ 40)

今日の症例は混合歯列期に
いちじるしい overjet=水平被蓋
を主訴として来院された患者さんに施術した
diphasic=2段階治療の例です

当院で開発されたミニマム・アクチベータ初診時9歳女性
歯が出ている事を主訴に来院されました
写真は当院開発のミニマム・アクチベータ
夜間就眠時のみの使用で
10ヶ月後の前歯被蓋の変化

切端咬合位(上下前歯突き合わせの位置)でかみあわせを採り製作する
Lingual frange=下顎に伸びる部分の歯に当たる
個所がワックスによってレリーフされて製作されていることに注意
装置が下顎前歯に直接当たってしまうと前傾(procumbency)をおこしてしまう
(第52回日本矯正歯科学会(鹿児島:1993)にて発表)

11月5日の Blog において
反対咬合の患者さんで
紹介させていただいたのと同様に
アクチベータとエッジワイズ・アプライアンスによる
2段階治療は上顎前突の患者さんでも行なうことができます

じつは本邦においては
主に反対咬合の抑制矯正歯科治療で応用されることの多い
アクチベータ
ドイツ・ライプツィッヒにて Andresen と Heupl によって
前世紀初頭に紹介された
そのオリジナルは上顎前突治療用の装置でした

アクチベータによる第1期抑制矯正終了後
永久歯が生えそろうまでの間
半年間の観察期を置いたのち
一ヶ月間のヘッドギアによる上顎のホールド
(その間に治療計画上の永久歯の抜歯)
エッジワイズ装置による第2期治療=歯のレヴェリング(まっすぐにする)
前歯のリトラクション=後方移動
一歯対二歯の咬頭嵌合(interdigitation)の確立をおこないました

アクチベータを用いた二段階治療による顔の変化


ふたつの整形装置による頭蓋顔面の成長コントロール
上下左右第一小臼歯4本の抜歯による
エッジワイズ・メカニクスを用いての
包括的矯正歯科治療によって
上顎では永久中切歯まるまる一歯分の後方移動が
下顎では永久中切歯一歯分の前下方成長が得られました

アクチベータを用いた二段階治療におけるくちもとの変化
横顔の美しさを判定するための E-line からみた
くちもとの変化では
矯正歯科治療全行程を通じて
上下口唇ともに8mmにもおよぶ後退が認められました

アクチベータによる二段階治療結果と5年後の安定性
写真は矯正歯科動的治療
(エッジワイズ装置による治療期間1年6ヶ月)
すべて終了後(上3葉)
矯正歯科動的治療終了後5年経過時のもの(下3葉)

顔の成長発育過程を通じて
整形治療=dentofacial orthopedics
および矯正歯科治療をおこなうことができ
顔面の発育を自然と適正な方向に
変化させることが可能となったため
術後の安定性も高く後戻りの心配も少なかった


Posted by dendroboim at 00:10:00 | from category: 歯の意識革命 | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
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