October 18, 2006

「歯は太らない.歯のでこぼこはあごの成長によって直らない」


矯正歯科 : 鎌倉 dentfaco 山本歯科・矯正の Blog
カマクラデントフェイシャルオ−ソピディクス山本歯科・矯正
院長 : 矯正歯科医 : 山本一宏の ブログ 17)

「歯は太る!」といった論文を書いた方がありましたが,
実際は計測ミスで,発表者は
学界を追われてゆきました.

でこぼこした歯も
あごの成長発育に伴って
自然ときれいに並んでくるのではないかと
思っている方に時々お目にかかりますが
成長によってガタガタした歯がきれいに並んだ
といった報告はいまだ一件とてありません.

ミシガン大学人類成長発育研究所データ

図はミシガン大学人類成長発育研究所
(Center for Human growth and development
=CHGD, University of Michigan)の
縦断的(一定数の同一個体を継時的に追った)データ.

下あごの奥歯から前歯までの距離が
年齢が高くなるに従って,
縮小していることを示しています.

Differential growth とよばれますが,
赤ちゃんはそのままのプロポーションで
大きくなってゆくわけではありまえせんね?
もしそうだとしたらすべてのひとは
おとなになっても4頭身ということになります.

身体の各部では
暦齢的に大きくなる部分と
逆に小さくなる部分があります.

Remodelling( Courtesy D.H. Enlow)

骨はその成長過程で添加・吸収=いわゆる remodelling を繰り返す.
もし吸収がなくて,添加のみだと,
恐ろしく太いものになってしまうだろう.
図で著者によって緑に塗られた部分は,
成長した後ではなくなっている.



当 Blog を連続して読んでいらっしゃる方で
勘のいい方は,もうお気付きの事と思いますが,
そうです.
前にお話しした
リーウェイ・スペースの所為なのです.

Posted by dendroboim at 00:10:00 | from category: 歯の意識革命 | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
Comments

JAPADENT:

私は歯科医師ですが勉強になります.学生時代に習ったかな?
(October 18, 2006 10:26:17)
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