November 12, 2006

「マイオファンクショナル・テラピーの実際」


矯正歯科 : 鎌倉 dentfaco 山本歯科・矯正の blog
カマクラデントフェイシャルオ−ソピディクス山本歯科・矯正
院長 : 矯正歯科医 : 山本一宏の ブログ 43)

バリ・ウブド・チャンプアンの散歩道

それでは実際に
マイオファンクショナル・テラピーの
練習を一緒にしてまいりましょう

この blog でも再三紹介している
シカゴ・イリノイ大学の
トム・グレーバー教授の
ブルーブックとよばれる
矯正学の聖書的教科書
"ORTHODONTICS"からの引用です.

正常者と異常嚥下癖(Courtesy TM Graber)

物を飲み込むことを
専門的には嚥下(えんげ)=swallowといいます

図の上は正常嚥下者
下はアブノーマルなパターンです

まず正常な嚥下では
上下の口唇が優しく接し
上下の歯も軽く当たります
舌尖はマイオファンクショナル・テラピー
セッションでは"スポット"とよばれる
切歯乳頭に位置し
嚥下パターン中一貫して動きません

Lips together,
teeth together &
tongue approximate to the palate.

これで月面基地におけるように
3重シールで陰圧をつくり
後は食道経由で
胃の中までまっしぐら
正しい嚥下の完了

しかし歯並びが悪い人
歯の出ている人たちでは
いささか状況が異なります.

前歯があわない分
奥歯は噛みあわずに
舌は正常範囲を超えて前進します
=tongue thrusting=舌突出癖

そこで下唇と出会い
=lip tongue contact
舌と下唇を使って陰圧をつくります

そのとき正常者ではもっぱら使われる
上唇が使われないため
廃用してまくれあがり
=incompetent lip

さらに下唇を押し上げるため
下唇下部=オトガイの部分に
桃の種のような緊張が生じます
=mentalis habit


再三たとえ話で申し訳なく思いますが
口唇を掃除機の吸い込み口
食道をゴミホース
胃をゴミ袋とすると

正常嚥下者では
うまく作動する掃除機で
バキュームでぐんぐん
掃除ができてゆく状態です

異常嚥下癖の場合には
吸い込み口がゆがんだり欠けたり
しており陰圧にならなくて
シューシューといってるような
状態であるといえます

しかしそのとき
まちがってじゅうたんが貼り付いてくれば
まがいなりにも陰圧をつくることができます

じゅうたんの役目をするのが
下唇と舌の異常行動です

舌突出癖が原因で
おこる不正咬合は
開咬といって
垂直的・水平的に奥歯が当たっているにも拘わらず
前歯が開いてしまうものがあげられます.

開咬では
以前に blog 「叢生の弊害 1)」
の中の「噛む機能の面から・・・」

でも紹介しましたように
mutually protected とよばれる,
左右側運動では上下の犬歯同士が
前後運動では4前歯が,
アゴの運動をガイドする
様式のわたしたちの噛み合わせが
そこなわれます.

そしてかみあわせは
モトクロッサーを思わせる
ラフロード状態となって
いちじるしく効率が悪くなり
歯の寿命も短くなります

「つづく・・・to be continued」
Posted by dendroboim at 00:10:00 | from category: 歯の意識革命 | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
Comments
No comments yet
:

:

Trackbacks
DISALLOWED (TrackBack)