October 28, 2006

「怖〜い 矯正歯科治療」


矯正歯科 : 鎌倉 dentfaco 山本歯科・矯正の Blog
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院長 : 矯正歯科認定専門医 : 山本一宏の ブログ 28)

「UglyDucklingStage って知ってますか?」

醜いアヒルの子の時期

日本語では「醜いアヒルの子の時期」とよばれるこの時期.
混合歯列期(乳歯と永久歯が混在している時期)において
犬歯の歯胚(歯の芽)の位置の関係から
上の前歯の中間にすき間が生じる事をいいます.

犬歯の萌出にともなって,
前歯のすき間も自然に閉じ
美しい白鳥に生まれ変わるわけです.

この時期に無理に前歯のすき間を
閉じる事は避けなくては成りません.
なぜならば,側切歯の根が遠心に振って,
犬歯の歯胚を傷つけるといけないからです.

国家試験の山にもなっているので
昨今ではそんなことはもはや起こらないと思いますが,
数十年前にはお金を取って
わざわざ閉じていた先生もいたと聞きます.

前歯の間の事を「正中」といい,
前歯の間のすき間は「正中離開」とよばれます.

「正中離開」を矯正歯科治療によって
閉じなければならないのは
以下の場合です.

永久歯列が第一大臼歯の手前で全部完成した段階で,
1)上唇小帯(上唇をめくると見える帯のようなもの)
が歯の間を越えて上あご(口蓋)の方まで延びているもの
=整形手術後,閉鎖する.
2)正中過剰埋伏歯(前歯と前歯の間によけいな歯が埋まっている)
=抜歯後,閉鎖する.
3)異常嚥下癖(ものを飲む時適正な筋肉のバランスでしない)
=口腔周囲筋訓練後,閉鎖する.
(MFT=口腔周囲筋訓練については後日くわしく述べます)

「怖〜い 矯正歯科治療」

読売新聞は,2006年5月18日付けの医療ルネサンスで,
学会「認定医」わずか1割
として,安易に矯正治療を受けることに,警鐘を鳴らしています.


同紙はこう論評している・・・

「関東地方に住む50歳代のF子さんの上の歯は
根がほとんど溶けてなくなり、ぐらぐらする。
5年以上も、歯に力をかけ続けた矯正治療の結果だろう。」

本人談で「割安な印象もあった・・・」
とあるが,外食で割安で食中毒もないだろうとおもう.

間違った矯正治療によって歯が抜ける!?
(JADA=アメリカ歯科医師会雑誌より)

写真は上で述べた「正中離開」
を閉じようとして,母親が,
矯正装置なしに前歯2本に輪ゴムをかけた.

歯の根は先の方に行くに従って
だんだん細くなっているため,
輪ゴムはだんだん歯の根の方に
歯周組織を破壊しながらもぐってゆく.

やがて2本の前歯はぽろりと落ちる.

こんなばかげたことが母親は疎か
歯科医師の指示によっておこったことも
過去には多々あるのです.

専門医が見なければいけないものは,
専門医に任せましょう.
とんだ落とし穴があるやもしれません.
Posted by dendroboim at 18:53:44 | from category: 歯の意識革命 | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
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