December 30, 2006

「カルシウムパラドクスって知ってました?」


矯正歯科 : 鎌倉 dentfaco 山本歯科・矯正の Blog
カマクラデントフェイシャルオ−ソピディクス山本歯科・矯正
院長 : 矯正歯科医 : 山本一宏の ブログ 90)

神奈川県立生命の星・地球博物館神奈川県立生命の星・地球博物館 〒250-0031 神奈川県小田原市入生田499 所蔵

昨日の「フレンチパラドクス」につづいて
きょうの話題は「カルシウムパラドクス」

=カルシウムの逆説っていったいなんですか?

カルシウムが足りないと
逆にからだにカルシウムがたまりやすくなる
この現象をカルシウム・パラドクス(カルシウムの逆説)といいます

英語でも
"Paradoxically speaking・・・"
=「逆に言うとね・・・」
なんて使いますよね

カルシウムの摂取が
少なくなればなるほど
ほねからカルシウムが溶けてでる量が多くなって
やがて血管などに沈着して
レントゲンに白く写るほどにまで
なってしまう現象
これが「カルシウムパラドクス」です

「カルシウムパラドクス」の
原因がまだわかっていなかった
頃には 医者の中にも
「とったカルシウムがからだに溜まるので
これ以上 あまりカルシウムを取らないように」

なんて間違った指示を
患者に与えていた事もあったとききます

「カルシウムパラドクス」は
以下の機序でおきてきます

すなわち・・・

血中カルシウム濃度は
PTH(副甲状腺ホルモン)と
CT(カルシトニン)という
ふたつのホルモンによって
常に一定に保たれています

たとえば静脈のなかに
高濃度のカルシウムを注射しても
5分と経たないうちに
もとの血中カルシウム濃度に戻ってしまいます

これは CTが
血中カルシウム濃度があがったことに
ただちに反応して
余分なカルシウムを
骨の中に蓄えたためです

この逆に血中カルシウム濃度が低くなると
PTHが活性化されて
あっという間に
骨の中からカルシウムを溶かしだして
血中カルシウム濃度が
低くなりすぎるのを防ぎます

ではいったいなぜこのような
高度のコントロール機構が
存在するのでしょうか?

その答えは
生命の維持に関わる問題だからです

私たちの細胞は
ナトリウム・カルシウム・マグネシウムがなければ
自らが動くためのエネルギーを出すこともできなければ
大切な情報をほかの細胞に伝えてゆくこともできません

カルシウムの約90%は
骨の中に蓄えられております

その約1/100が血液の中に
またその1/100が細胞の中に蓄えられています

つまり細胞の中対骨では
実に1/10,000のカルシウム濃度の違いがあります

そしてこの落差こそが生命の維持に不可欠なのです

PTHによる血中カルシウム濃度の調節は
たとえて言うなら銀行の自動融資ににています

ただし自動融資では
電気代¥10,000を入金し忘れたときには
¥10,000だけ補てんされますが
PTHは残念ながら
それほど細かい計算はできません

たとえ¥10,000だけしか不足していない場合にも
一回PTHが活性化すると
それこそ¥1,000,000単位で
骨に蓄えてあるカルシウムを溶かしだしてしまいます

さらに骨から溶け出たカルシウムは
食物として経口摂取したカルシウムに較べて
約100倍も組織親和性が高いのです

すなわち脳や心臓の血管に吸着しやすくなります

これが動脈硬化の原因です

老後の心配は経済面だけではありません

健康面にも賢い投資を続けて
ミネラルの収支がいつでも
きちんとあっているように心掛けてください

一時 カルシウム神話と言われるほどに
カルシウムのとりすぎが
心配されたことがありました

これはミネラルに限らず
すべての栄養素について言えることですが
一番大切なのはバランスです

アメリカでは
1日摂取量を
RDA(Recommended Dietary Allowance)
として設けていますし
我が国の厚生省(当時)でも
平成12年からカルシウムの
最大摂取量を規定しました

カルシウムをとりすぎると
高カルシウム血症をおこし
慢性疲労・全身浮腫(むくみ)などの症状が出ます

ここで大切なのは
カルシウム対マグネシウムの 2 : 1のミネラルバランスです

下記のサプリに含まれる
ドロマイト=dolomite=古代地層は
サンゴなどが海底に堆積して石灰岩になった後
石灰石中のカルシウムが
海水中のマグネシウムと置き換わり生成されたものです

白雲石或いは苫灰石とも呼ばれ
化学成分はCaMg(CO3)2

自然の知恵には驚かされることが多いことが
ガイヤ理論などからわかっておりますが
ドロマイトのカルシウム対マグネシウムバランスは
ちょうど 2 : 1 なのです

また
ウシの骨から採取したカルシウムでは
狂牛病のプリオンが心配ですが
ドロマイトは
ウシが進化してくる前の時代にできたものなので
BSE(牛海綿状脳症、狂牛病)=
致死性痴呆症の変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(VCJD)
の心配もありません

適正なカルシウム摂取は
歯の再石灰化=recalcification
再結晶=recrystalizationかにとっても重要ですが
このトピクスにつきましては
当院付属辻 直子予防歯科
ブログでいずれ
ご紹介できると思います





上記は生命の維持に直結した名著ですが
カルシウムがいらないといっているのではなく
マグネシウムと2:1の比率で
摂取することの重要性をのべています



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