October 26, 2006

「顎機能異常と睡眠相の関係」


矯正歯科 : 鎌倉 dentfaco 山本歯科・矯正の Blog
カマクラデントフェイシャルオ−ソピディクス山本歯科・矯正
院長 : 矯正歯科医 : 山本一宏の ブログ 26)



上は先月札幌でおこなわれた日韓ジョイントミ−ティングで
講演された井川雅子先生が共著した成書です.

1996年にアメリカでおこなわれた
NIHのTMD(顎関節症)に関する
Technology Assessment Conferenceで
「世界中の歯科医を驚かせた」として,
咬合因子が顎関節症をはじめとする
顎機能異常の原因とはいえないといった内容です.

現在,顎機能異常の発症・増悪させる因子として
咬合因子がリスクファクターとなりうるとはされながらも,
寄与因子は器質的のみに留まらず,
精神的,行動学的に至るまで多岐に亘るとされています.

外科系からも
「顎関節症が咬合因子のみでは発症しない
ことがあきらかになってきた」として
咬合関係と顎関節症の因果関係がもう一つはっきりしない
とした演題がありました.

外科的手法=手術
では繊細な咬合治療は不可能なため
どのレヴェルまでみているか?
といった疑問は残りますが,
医師の責任逃れや
保険会社の思惑通りに事が運んでいない事を祈るばかりです.

確かに歯並びがめちゃくちゃ
でもなんら症状を訴えない方がいらっしゃいますし,
矯正治療でぴかぴかの
歯並び・噛み合わせになったにも拘らず,
アゴの不調を訴える方がいらっしゃる事も確かです.

最近ではTCH(Teeth Contacting Habit)といった
長時間にわたって上下の歯を接している事が
顎機能異常の発症・増悪させる因子として注目されております.

しかしこういった内容は
今に始まった事ではなく.
古くは我が国の誇る九大で開発された自律訓練法
=温感訓練・重感訓練
(力を抜こうと努力するとかえって緊張してしまうため,
楽な座位あるいは横臥位で腕が重い腕が重い
・おなかが暖かいおなかが暖かい・額がすずしい額がすずしい
と心の中で唱える)をはじめ



親子2代にわたり食いしばりの研究をされており
当院にも時々お見えになる押見一先生の研究会の
長野の谷口威夫先生などは
その物を拝見はしていませんが,
何かプリクラやシールをおもわせる
ものを患者さんに渡し,
1枚は壁掛け時計に
1枚は姿見に
1枚は車のバックミラーになど
それを張って
目に入ったら
全身脱力し,唇を閉じて
歯ははなす(噛まないで上下の歯を離す)
と指導されているとききます.

われらが青木亥一郎先生も
なにかまた究極の調整法を
見いだされたという事で
次回鎌倉長兵衞への
お出ましを心待ちにしている昨今です.

気がついたら力を抜くことや歯を離すことは
おきている時は注意できますが,
就眠時には難しいものです.
(最大の自己暗示は明日の朝生きて目覚める事とする
押見一先生についてはいずれこの Blog で
紹介させていただきます・・・お楽しみに!)

人生のうちで1/3の時間を占める
睡眠時に良質な睡眠相を得る事は
単に疲れを取るだけに留まらず,
各種ホルモンや病原菌に対する抗体を作る
上からも重要です

顎機能の異常や原因不明の口腔顔面痛を訴える
患者さんのうちには睡眠中に20分にもわたる
噛みしめ・食いしばり・歯軋りなどの
いわゆるブラキシズムをおこなう方たちがいます.


「良質な睡眠相を得るための4つのコツ」

ーーーオーソピデイック(整形)枕

当院のデンタル・ユニットがテンピュールである事は
サイト(http://www.dentfaco.com/dentfaco_G-Compact.html
で紹介しておりますが,
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